マブナ

2016年6月5日。夕まづめ釣行。先日掘ったドバミミズを少し持って、いつもの川へ。タックルは4mの磯竿に2000番のスピニングリール。仕掛けはナツメオモリを使った中通し式ミャク釣りです。

マブナ



モジリが見えた岸際に仕掛けを投入すると、「プル」「プルプル」と小さなアタリが。しかし、餌は特大サイズのドバミミズ。この時点でアワセても、まだ端をかじっているだけかもしれません。少し待ってから、そーっと糸にテンションをかけてみます。糸の先に重いものがついているような感触があったので、アワセ。

ナマズかと思うくらい、水面で元気に暴れるフナでした。居合わせた友人がネットイン。玉網の枠が30cmなので、35cmくらいでしょうか。この川で釣れるフナとしては平均サイズです。

以前はフナ漁も行われていた川


現状では、大きなフナばかりが目立つこの川ですが、昔は、小鮒を獲って雀焼きを作る専門の業者がいたそうです。

水草が茂っているところを網でガサガサやれば無数の小鮒が入っただとか、産卵の時期には川面がフナで埋め尽くされたという話を聞くと、なぜ、そうした田舎のセールスポイントを護岸工事で潰してしまったのかと惜しまれます。

もはや自分の「売り」が何かすらわからなくなってしまっている田舎の現状は、深刻なものがあります。安倍政権は地方創生などと言っていますが、まちがいなく失敗するでしょう。民進党がやっても共産党がやっても、それは同じだと思います。

鰓耙を見てみた(本当に見ただけ)


マブナ

フナの仲間は、種を見分けるのがとても難しい魚ですが、ゲンゴロウブナ(ヘラブナ)かどうかという点だけは、エラを見ればわかるそうです。エラぶたを開いて中をのぞきこんでみました。

エラの付け根あたりに、鰓耙(さいは)という、白いクシ状の部分があります。ヘラブナはプランクトンを濾しとって食べるため、この鰓耙の数が他のフナより明らかに多いそうです。

が、素人がちょっとのぞいてみたところで、「ああ、鰓耙があるな」と思っただけでした。

魚に釣り竿を持っていかれた


フナをリリースした後、50cmほどのコイがかかりましたが、取り込み時にバラしてしまいました。

それから先は、ミミズの尻尾も食いちぎれないような小魚のいたずらばかり。すっかり油断して、コンクリート護岸の法面に釣り竿を置き、景色を眺めていました。

これまでの経験では、その状態で不意に大きな魚がかかって竿を引きずられても、途中で護岸の凹凸に引っかかって止まっていたのですが、今日は勝手が違いました。

川に浮かぶ釣り竿

何か音がしたなと思う間もなく、竿はするすると斜面を滑り落ち、そのまま川の真ん中へ。

あっけにとられていると、針にかかった魚、おそらくコイは、水面に浮かんだ竿とリールを引いたまま下流へ向かってスイスイと泳いでいき、しばらくすると停まりました。

ガラクタ同然の古いタックルとはいえ、このまま放置しては、川に粗大ごみを捨てるバカと同じです。何とかして回収せねばなりません。そのためには、先ず、竿を岸へ寄せる必要があります。

いちど帰宅して別の竿とリールを持ってきて、それで引っかけて回収するのが、最も確実でしょう。しかし、釣り場と家を往復する間に、何が起こるかわかりません。

石を投げて魚を驚かす案が浮かんだ


川に浮かぶ釣り竿

川面をにらんでいるうちに、妙案を思いつきました。道ばたに落ちている小石をいくつか拾い、川の真ん中に浮いている竿の、少し向こう側へ、次々に投げ込みます。

すると、思った通り、驚いたコイは、こちら側へと逃げてきました。コイと釣り糸で結ばれた竿も、なんとか岸から回収できそうに見える距離へ。

ところが、玉網を杖代わりにして、えっちらおっちら土手の斜面をくだり、川岸に立ってみると、玉網を差しのべて引っ掛けるにも、まだ遠すぎました。がっかりです。

釣り竿 回収成功


また思案した結果、バックパックに入っていたハリス保護用のビニールチューブ(3mほどの長さ)の先にオモリと針を結び、それを投げ縄のように使うことで、どうにか釣り竿の回収に成功。

そうなると、欲が出てくるものです。あわよくば、針にかかった獲物も……と思ったのですが、岸際の障害物の中に逃げ込まれてしまい、ハリスを切られてしまいました。

反省。釣りは準備と段取り


今まで、YouTube で世界中の釣り人が置き竿を魚に持っていかれる動画を見ては、「デュフw」と気色悪い笑みをうかべていた私ですが、実際、自分がやられてみると、全くもって笑い事ではありませんでした。

それに、魚に取られた竿を回収するための工夫ができるなら、最初から、そんなことが起きないような工夫をすべきでした。いや、そもそも、工夫なんか要らないのです。当たり前のことを当たり前にやればよいのです。

何ごともそうですが、釣りも、大切なのは準備と段取りだなあ。とつくづく思ったのでありました。