玉網の中のナマズ

夕まづめ ナマズ釣り


2016年6月25日。夕まづめ釣行。雨で増水した川で、ドバミミズを餌にウナギ狙いで竿を出しましたが、本命の反応はなく釣果はナマズ2本。そのうち1匹を死なせてしまったので、天ぷらにして食べてみました。

私が提唱する説によれば、雨の翌日はナマズが爆釣となりますが、翌々日は不釣となります。なぜかと云いますと、増水して濁った川で活性が高まり、たらふく餌を食べたナマズは、しばらく空腹を感じず、餌を追わないのです。


餌をたらふく食べたナマズが釣れた


パンパンに膨らんだナマズの腹

そんな私の説を裏付けるように、流れ込みで、異様なほど腹がふくれたナマズが掛かりました。なかなか浮いてこないな、と思ったら、この有様。

口をつかんで吊るしたナマズ

われわれ人間は、俗に「寝だめ・食いだめ・飲みだめ はできない」などと言うように、嫌というほど食べても、翌日になればまた空腹を感じます。1日分の食べ物しか腹に収まらないわけです。

それに比べて、ナマズは、何日か分の食事を一時にとることができるように思います。

良型のナマズを死なせてしまった


エラから血を流すナマズ

同じポイントで、もう1匹ナマズが掛かりました。写真ではよくわかりませんが、1匹めより、かなり大きなナマズです。餌も、よく食べている様子。立派な体には目立った傷もなく、ナマズらしい曲線美を誇る、素晴らしい魚でした。

が、喉に刺さった針を抜こうとした際に、誤ってエラを傷つけてしまいました。左右のエラからはおびただしい血が流れ出し、ほとんど血抜きをしたような状態に。これはもう助からないだろうと思い、とりあえずバケツにキープしましたが、しばらくして、伸び上がるような動きをした後に絶命しました。


初めてのナマズ解体に挑戦


これだけの魚を捨ててしまうのも惜しいので、その場で身だけを切り取って持ち替えることに。釣行時に持ち歩いているオルファのクラフトナイフで、初めてのナマズの解体に挑戦しました。

このクラフトナイフ、300円ちょっとで買えるのですが、国産で切れ味がよく、ステンレス製なので錆にも強いというすぐれものです。スッポンの解体にも活躍しました。


さばき方ですが、YouTube で見た動画の記憶を頼りに、ナマズを腹を下にして置き、首のあたりからナイフを入れ、中骨に沿って切っていきました。鱗がなく柔らかいナマズの体には、ナイフの刃がスッと入っていきます。

西洋流に、はらわたは出さず、腹骨に沿ってなぞるように身だけ切り離そうと思ったのですが、失敗して、野球ボールのように膨らんだ胃袋が飛び出しました。中身を見てみようかと思いましたが、食欲を失わせるものが出てきたら困るので、やめておくことに。

難しいイメージがあったナマズの解体ですが、ぬめりで手が滑ること以外は、特に難しい点は無し。これなら、何度か練習すれば、私でもじゅうぶんやれそうだという手応えを得ました。

釣り場で解体したナマズの身

片身はまあまあきれいに切り取れましたが、もう半分は失敗。川の水でざっと洗って、ビニール袋に入れて持ち帰りました。

自宅で皮を引き、切り分ける


サクにしたナマズと包丁

家に帰り、ナマズの片身を、背の身と腹身に切り分けた状態。こうして見るとサクという感じで、人間の食べ物然としてきます。

この状態から皮を引きましたが、ナマズの皮はぬめりが強く、さらに薄くて丈夫なうえに伸縮性に富んでいて、やりづらいこと、この上ありません。まるで、どこかの企業が開発した新素材のようです。ペンチか何かで皮をつかめば、作業がしやすくなると思いました。

まな板の上のナマズの切り身

皮を引き、身に残っていた何本かの骨を取り、少し形を整えたナマズの身。上手な人がやれば、この1.5倍の量は取れるのではないでしょうか。

この時点では、川臭さというかナマズ臭さというか、独特の臭いが漂っています。ドブ臭とまでは言いませんが、心地良いものではありません。

ナマズを揚げる


鍋の中で揚げられるナマズの切り身

臭みが心配なら、揚げるに限ります。「揚げれば何でも食える」とは、飲食業に携わる友人の言。床に落とした食材も食べられるそうです。怖いですね。

それはさておき、ナマズを1口サイズに切り分け、軽く小麦粉をまぶした後、日清のコツのいらない天ぷら粉を水で溶いたものを衣にして、サラダ油で揚げました。

いちどに大量に揚げて臭かったら目も当てられないので、先ずは試しに1切れだけ。

いざ、ナマズの天ぷらを食べてみる


ナマズの天ぷら

揚げすぎて、だいぶ身が縮まってしまいました。揚げ物の理想として、衣はサクッとして中身はふっくらという状態がありますが、衣はガリッとして中身はみっしりという感じ。

アジシオをかけて、いただきます。

ナマズの天ぷらはおいしい


ナマズの天ぷらを1口かじったところ

おいしい!

ちょっと揚げすぎたくらいで不味くなる程度のおいしさではありません。心配していた臭みもなし。スーパーで買った、鮮度が落ちた安物の白身魚なんか目ではありません。

ナマズの天ぷら6個

大丈夫とわかったので、続いて第2弾。また、キツネ色を通り過ぎた色になってしまいました。むしろタヌキ寄りの色味。

天つゆでナマズの天ぷらを食べる

揚げすぎたナマズは、鶏肉のような食感です。何だか唐揚げ風になってしまったので、強制的に天ぷら感を出すため、天つゆでいただきます。

うまい。これは、相当うまいです。最近はウナギ味の養殖ナマズといったものも開発されていますが、脂っこいものが苦手な方は、むしろナマズの方が美味しく感じるのではないでしょうか。

ナマズの天ぷら

続いて第3弾。揚げ物の食べ過ぎですが、せっかくだからと焼酎を飲んで食欲が増進してしまい、止まらなくなってしまいました。今回は、天ぷららしい色に揚がっています。

ナマズの天ぷらを天つゆで食べる

身も柔らかさを保って、ジューシーに仕上がりました。うーん、うまい。前回料理したスッポンの身は野趣あふれる味でしたが、ナマズは実に上品。けれど旨味はしっかりあり、柔らかく、小骨などもありません。かなり優秀な食材です。


天ぷらをがおいしかったので、焼酎を飲みすぎた


気を良くして、夜中に天ぷらをたらふく食べて焼酎をガブ飲みした結果、翌日は不調となってしまいました。好事魔多し。

ちなみに、川臭さを警戒して、ナマズの身の一部を酢水で洗ってから揚げてみたのですが(酢には川魚の臭みの原因、ゲオスミンを分解する効果がある)、かすかな酸味が腐った肉を思い起こさせて逆効果でした。そんなことをせずとも、揚げればほとんど臭みはありません。

次は、ナマズを生きたまま持ち帰り、きれいにさばいて料理してみたいと思います。