また1つの農業用ため池が釣り人の迷惑行為により釣り禁止になったという情報をツイッターで見かけました(下の埋め込みツイート参照)。残念なことです。

この問題についてネット上でマナー改善を呼びかける釣り人は珍しくありません。しかし、失礼ながら、ため池や漁港などが釣り禁止になる本当の理由をわかっている方は少ないように見受けられました。この投稿では、それを説明してみたいと思います。


昨今、今まで釣りが黙認されていた場所が釣り禁止となる例が増えています。これに関して、上のツイートのように釣り人全体の意識を問う意見がある一方で、下のように「なぜ我々が……」というものも見られました。


誰がマナーの悪い釣り人のツケを払ってきたのか

しかしです。「ツケを払う」と言っても、釣り人が何を支払ってきたというのでしょうか。漁業用・工業用の港湾や農業用ため池に無断で入り込み、1円の使用料も払わない釣りができなくなったこと? それは与えられていた恩恵を失っただけで、支払いとは言えません。

今まで悪質な釣り人にかわってツケを支払わされてきたのは、『釣り場』(と釣り人が勝手によんでいる場所)の管理者たちです。そして、「もうこれ以上、他人のツケを払い続けたくない。どうにかしたい」と彼らが思った時、私を含む自称・善良な釣り人は何の役にも立ちませんでした。「そのツケは私たちが払う」と申し出ることはなかったのです。

マナーの悪い釣り人のツケは釣り人全員で払うべき

バス釣り

ある場所が釣り禁止になるのは、マナーの悪い釣り人がいるからではありません。悪質なのはごく少数で、一般の釣り人は自発的にゴミ拾いなどもしている。そんなことは『釣り場』管理者もよくわかっています。もし悪質な釣り人だけを閉め出す方法があるなら、それを選ぶでしょう。しかし残念ながら、そんな方法はありません。そして、一般の釣り人が釣りのついでにちょっとゴミを拾ったところで、相変わらず港や池はゴミだらけなのが現実です。だったら、釣り禁止の看板を立てて、釣り人全員を閉め出すしかないではありませんか。

釣り禁止の本当の理由は、『釣り人がしたことは釣り人が責任を取る』という組織だった社会的な仕組みが何もないことです。管理している溜池に釣り糸を捨てられて腹が立った農家は、どこに苦情を言えばよいのでしょうか。日本釣振興会? ダイワやシマノに泣きつけば何かしてくれるのでしょうか? 2番めの原因は、(管理釣り場・釣船・遊漁券が必要な河川などを除いて)タダで釣りをして、楽しみだけを味わって後始末を他人(漁師や農家など)に押し付けていること。つまり受益者負担の原則を無視していることにあります。

大日本釣友会?

これらの問題を解決して釣りを続けていくためには、ハンターにならって猟友会のような組織を作ったり、ドイツのように釣りを免許制にするしかないでしょう。釣り税などのお金を払うか、ボランティアとして労働力を提供しなければ釣りができない仕組みを作る必要があるのです。

ところで、釣りという趣味にどれだけコストをかけるかは、その選択に大きな幅があります。亡くなった松方弘樹さんのように大金を投じて世界のマグロを追いかける釣り人もいれば、ほとんどお金をかけずに近所で釣りを楽しんでいる人もいます(私はこちらです)。どちらの道を選んでも、どこまでも奥が深い難しさと楽しさが待っているのが、釣りの良いところだと思います。

しかし、釣り人がきちんとコストを負担して釣りをする時代が来たならば、狩猟ほどではないにせよハードルが上り、お金のかからない・手軽な趣味としての釣りは衰退するのかもしれません。それでも、現状の無責任きわまりない状態よりはましだと思います。